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クリニカルインディケーター
2023(上半期)

クリニカルインディケーター(C II:C linical Indicator 、臨床指標)は、病院の機能や診療の状況などについて、医療の質を様々な指標を用いて具体的な数値として示したものです。指標を分析することで、医療の過程や結果から課題や改善点を見つけ出し、医療の質の向上を図るとともに、患者様にとって分かりやすい医療情報を提供することを目的としています。

対象者

  • 2023年4月~9月までに退院した患者を対象としています。
  • 「3. 転倒・転落事故について」では、2023年4月~9月の間に発生した事故を対象としています。

1.入院患者について

①疾患別患者割合

  • 退院患者数n=276
  • 疾患の種類にかかわらず再入院した場合は、新規入院患者として数えています。

②年齢・性別構成(n=276)

50代60代は、女性よりも男性の人数が多く若年での脳卒中の患者数は男性の方が多いとする一般の傾向と一致しています。

③発症~初回入院までの期間(n=276)

平均は22.4日となっており、当院では発症後、急性期病院からの受け入れが早期に行えていることが特徴のひとつと言えます。
全国平均(2022年):31.7日
※回復期リハビリテーション病棟協会(2023年2月発行)資料より

④在院日数(n=276)

平均在院日数
当院:74.5日
全国平均(2022年):※66.2日
※回復期リハビリテーション病棟連絡協議会(2023年2月発行)資料より

⑤疾患別平均在院日数(n=276)

⑥患者住所(n=276)

鎌倉市に住所がある患者は、全体の38.4%
つまり、3人に1人以上は鎌倉市内にお住いの患者が占めています。

⑦最終退院先

自宅へ退院した患者の割合は、67.0%
自宅と居住系介護施設を合わせた在宅復帰率※は、87.2%となっています。

※在宅復帰率は、退院患者のうち自宅または居住系介護施設へ退院した患者の割合を示しています。ただし、他の保険医療機関への転院、死亡退院等は除外します。

2.リハビリによる改善について

2-1. リハビリテーション実績指数

  • 厚生労働省は、回復期リハビリテーション病棟におけるアウトカム評価として以下に示す実績指数の指標を用いた評価を行っています。
  • 3ヶ月ごと(4月、7月、10月、1月)の実績指数の報告に基づき、リハビリテーションの効果の実績が評価されます。

以下に、2023年1月、4月、7月、10月における当院の実績指数を示します。

実績指数40以上を維持しており当院は、最も高い病棟基準である「回復期リハビリテーション病棟入院料1」の基準を満たしています。

(参照)中医協資料(H29/11/10)

2-2.FIM18項目における改善について

①食事(n=275)

②整容(n=275)

③清拭(n=275)

④更衣(上)(n=275)

⑤更衣(下)(n=275)

⑥トイレ動作(n=275)

⑦排尿管理(n=275)

⑧排便管理(n=275)

⑨ベッド・椅子・車椅子移乗(n=275)

⑩トイレ移乗(n=275)

⑪浴槽移乗(n=275)

⑫歩行・車椅子移動(n=275)

⑬階段移動(n=275)

⑭言語理解(n=275)

⑮言語表出(n=275)

⑯社会的交流(n=275)

⑰問題解決(n=275)

⑱記憶(n=275)

2-3.栄養状態の改善について

①経管栄養離脱率(n=30)

口から十分に食べられずに経管栄養が必要な状態で入院された29名のうち、12名の方が退院までに経口摂取ができるようになりました。

②栄養状態の割合の変化率(n=274)

BMI18.5未満は、23.4%から23.7%と微増(+0.3%)であったもののBMI18.5~24.9は、2.2%増加し、改善の傾向が見られました。

3.転倒・転落事故について

①入院中に発生した転倒・転落事故の件数

2023年4月から9月の間に発生した院内事故のうち、転倒・転落に関する事故が最も多く143件発生しています。

②発生した事故の影響度分類(報告時点)(n=354)

レベル3bの2件は、転倒に伴い骨折を受傷し治療を必要としました。永続的な障害や後遺症が残るレベル4以上の重大事故は発生していません。

影響度分類(報告時点)
事故区分 事故レベル 内容
インシデント レベル0 問題が発生したが、患者には実施されなかった場合
レベル1 患者への実害はなかったが、何らかの影響を与えた可能性がある場合
レベル2 患者への観察強化や検査の必要性が生じた場合
レベル3a 本来必要でなかった軽微な治療や処置の必要性が生じた場合
アクシデント レベル3b 本来必要でなかった濃厚な治療や処置の必要性が生じた場合
レベル4 永続的な障害や後遺症が残った場合
レベル5 死亡に至った場合

③転倒の場所

「転倒・転落」事故の約7割が病室内で発生しています。続いて廊下、トイレ、デイルームの順に発生件数が多くなっています。

④時間帯別発生件数(n=141)

早朝、夕方の時間帯に「転倒・転落」事故が比較的多く発生しています。

⑤曜日別発生件数(n=143)

⑥平日休日別発生件数(n=143)

曜日あるいは平日休日の違いによる発生件数の差異はほとんど見られません。

回復期リハビリテーション病棟
2022年度実績

入院患者状況2022年度

2022年度実績

入院患者総数 523名(再入院含め)
性別 男性:253名(48.4%)
女性:270名(51.6%)
平均年齢 78.5歳(19〜101歳)

回復期リハビリ対象疾患内訳

回復期リハビリ病棟 脳血管疾患

  • 脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎多、発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷の発症後もしくは手術後の状態
    →入院期間150日
  • 高次脳機能障害を伴った重傷血管障害・重度の脊椎損傷・頭部外傷を含む多部位外傷の発症または手術後の状態
    →入院期間180日

回復期リハビリ病棟 運動器疾患

  • 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節の骨折または2肢以上の多発骨折
    →入院期間90日
  • 股関節または膝関節の置換手術の状態
    →入院期間90日
  • 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節または膝関節の神経筋または靭帯損傷後の状態
    →入院期間60日

回復期リハビリ病棟 廃用症候群・心疾患

  • 外科手術または肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後または発症後の状態
    →入院期間90日
  • 急性心筋梗塞、狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患又は手術後の状態
    →入院期間90日

※当院では心大血管疾患は入院対象となりません。

発症から入院までの平均日数と急性期病院から紹介を受けてから入院までの平均日数

※再入院・リセット・他回復期からの転院を除く

疾患別 脳血管 運動器 廃用 合計
発症
→入院
当院 24.5日 17.3日 27.9日 21.5日
全国平均 36.0日 23.7日 - 29.4日
紹介
→入院
当院 10.1日 9.7日 9.1日 10.0日
全国平均 - - - 12.5日
  • 発症から入院までにおいて、当院は約7.9日ほど全国平均より早く入院に繋げられました。各疾患ごとにおいても当院が全国平均より早く入院に繋げられている結果でした。
  • 紹介を受けてから入院までの全国平均は12.5日であり、当院と比較すると約2.5日ほど当院が早く入院に繋げられている結果でした。

再入院:入院中に急性疾患を発症し転院したのちに当院へ再入院された方
リセット:入院中に別の回復期リハ対象疾患を発症した方
他回復期からの転院:他の回復期リハ病院に一度ご入院されてから当院へ転院された方

新規入院患者重症者比率(基準30%以上)

新規入院患者重症者とは

1.日常生活機能評価10点以上の患者

日常生活機能評価(表1)とは、いわゆる「できるADL」を評価します。寝返り動作や意思の伝達などの日常的な基本的動作の13項目ができるかどうかを0点~2点の3段階で評価するものです。0〜19点で評価し、得点が高いほど生活自立が難しいと評価します。

表1:厚生労働省ホームページより

2.機能的自立度評価法(FIM)55点以下の患者

FIM(表2)とは、いわゆる「しているADL」を評価するもので、実際の生活場面で行っている状態を評価します。13項目の運動面と5項目の認知面、計18項目で各項目を1点〜7点とし、点数が高いほど自立度が高く、18点~126点で評価します。

表2:厚生労働省ホームページより

  • 1と2の患者数を合わせて、新規に入院された患者数との割合を出すことで比率を換算します。
  • 重症者比率が高いほど入院患者が重症であることを表しており、当院の1年間平均の新規入院患者重症者比率は46.7%と回リハ施設基準1に求められている40%以上を達成することができました。

退院患者状況2022年度

入院日数(入棟日数)

疾患別 当院 全国平均
脳血管疾患
(150〜180日まで入院可)
89.1日 83.1日
運動器疾患
(60〜90日まで入院可)
62.5日 55.0日
廃用症候群
(90日まで入院可)
53.5日 55.8日
合計 80.2日 67.3日

1日当たりのリハ実施単位数

疾患別 当院 全国平均
脳血管疾患 7.22 6.94
運動器疾患 5.24 5.85
廃用症候群 5.26日 6.14日
合計平均 6.69日 6.46日

※神奈川県において運動器疾患・廃用症候群は1日最大6単位までとなっています。

日常生活機能評価点(脳血管)

日常生活機能評価点(運動器)

日常生活機能評価点(廃用)

日常生活機能評価点(合計)

脳血管疾患 FIM

運動器疾患 FIM

廃用症候群 FIM

合計 FIM

実績指数について(赤枠2022年度)

実績指数とは

  • 厚生労働省が求める回復期リハビリテーション病棟におけるアウトカムの評価で、回復期リハ病棟入院料1の施設基準を設備している当院においては、40以上の水準値達成が求められています。
  • 水準値の算出方法として以下の計算式となります。

  • 基本的には全入院患者が対象となりますが、入棟日において以下の①~④に該当する患者については、当該月の入棟患者数の30%を超えない範囲で、リハビリテーション実績指数の算出対象から除外できることとなっています。
    ①FIM運動項目の得点が20 点以下のもの
    ②FIM運動項目の得点が76点以上のもの
    ③FIM認知項目の得点が24点以下のもの
    ④年齢が80歳以上のもの
  • 4月・7月・10月・1月ごとに直近6か月の平均水準値の提出が求められております。
  • 当院の1年間の平均数値は52(除外選定後)で40以上の水準値を達成することができました。また全国平均は45.2となっており、当院のほうが上回る結果でした。
  • 実績指数の解釈として当院としては、入院生活全般とリハビリテーションにて日常生活の活動量を上げ、患者一人一人の適切な時期での退院を行うことを求められていると考えています。

転帰先 脳血管疾患

転帰先 運動器疾患

転帰先 廃用症候群

転帰先 合計

自宅退院・在宅復帰率について

疾患別 脳血管 運動器 廃用 合計
当院 自宅のみ 71.2% 82.5% 53.8% 72.8%
在宅復帰率※ 80.1% 89.6% 69.2% 83.0%
全国平均 自宅のみ 62.2% 73.3% 54.1% 66.5%
在宅復帰率 75.1% 85.6% 70.4% 79.0%

自宅への転帰先について

  • 自宅へ退院された割合は全国平均より廃用症候群以外は上回る結果となりました。
  • 在宅復帰率に関しては回復期リハ施設基準1として70%以上が必須となっていますが、83.0と基準を達成しました。また全国平均を上回る在宅復帰率となりました。

※在宅復帰率:急性期病棟への転院・死亡を除いた退院患者のうち、自宅及び在宅系施設 有料老人ホームなど に退院された患者の割合

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