当院では理学療法、作業療法、言語聴覚療法を実施しております。脳血管疾患については、回復期を対象にリハビリテーションを行います。大腿骨頸部骨折等については、主に術後のリハビリテーションを実施しております。患者さんの在宅復帰に向けて、ご本人・ご家族に生活指導や介助指導を行うとともに、退院前訪問指導として家屋環境(家屋改修)や生活環境(福祉用具等)へのアドバイスを行っております。
また、退位後も必要に応じて外来通院や通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションにより継続的なフォローを行います。
理学療法 1:59
理学療法(りがくりょうほう、英語:PhysioTherapy、Physical Therapy)とは、一般に考えられている高齢者や、事故などにより発生した身体機能障害の回復のためのトレーニングのみならず、脳卒中での麻痺などから、新生児の運動能力の発達の遅れ、循環器・呼吸器・内科・難病疾患等の身体的な障害を持つ人に対して、医師の指示の下、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操やその他の運動(運動療法という)を行い、電気刺激、温熱、寒冷、光線、水、マッサージなどの物理的手段を加える(物理療法という)身体機能、動作能力の改善を図ることを言います。理学療法の中には、大きく分けて、運動療法、物理療法、動作訓練があります。
また能力障害が残ったときには、基本的動作や日常生活活動を改善するための指導、そして社会生活を送る上で不利な要素を少なくするため、福祉用具の選定や住宅改修・環境調整、在宅ケア等も含まれます。近年では、生活習慣病の予防、コントロール、障害予防も理学療法の対象となっています。
理学療法を実施する者を理学療法士(英語:Physical TherapistまたはPhysio Therapist)と言います。 当院理学療法士のほとんどが日本理学療法士協会・神奈川県理学療法士会へ所属しており、うち数名の理学療法士が神奈川県理学療法士会各部において部員として活動しています。さらに、全国や県内レベルでの学会や当院周辺地域における地域連携パスにて症例発表・研究発表を実施しています。
作業療法 2:29
作業療法(さぎょうりょうほう、英語:Occupational therapy)とは作業活動を治療の手段として、対象者の身体機能および精神機能(基本的能力)や日常生活動作(応用的能力)の改善・維持・低下予防、社会適応能力の向上などを図っています。ここでいう「作業活動」とは日常生活動作、仕事、遊びなど人間の生活全般に関わる広い意味での活動を指します。
作業療法士は生活を医学的視点から支援する専門職であり、生活場面における問題点を評価し、いろいろな作業活動を通して、機能回復にむけた治療、訓練を行います。また、残された機能を最大限に活用できるように支援を行います。
脳損傷において、よく観察される症状であり、①持続性の低下:課題への集中力が続かない。疲れやすく、課題の開始は良好でも、時間の経過とともに課題の正答が低下したり、行為が中断したりする。②選択性の低下:数ある刺激の中からある特定の刺激に対し、注意が向かない。大勢の人が会話している室内で、少し離れた人の会話を聞くなど。③分割の低下:注意の容量が低下しているため、同時に並行して作業を行う時に2つのことに注意がむけられない。電話の内容を聞きながらメモを取るなど。
運動麻痺、失調、不随意運動などの運動障害なく、また、行うべき行為・動作を充分に理解しながらも、その行為が施行できない状態をいう。動きがおおざっぱになる。道具の使用がぎこちない。歯ブラシする際、柄の持ち方がその前にしていた髭剃りの動作と同じ動きをしてしまうなど。予測とは異なる動作を行なってしまう。
形を整えて、文字や図形、絵を描くこと、また実際に物をうまく組み立てることが障害される状態をいう。例えば生花が趣味である方がうまく、組立てず、生けられない。
視野障害の同名半盲と区別することが重要であり、同名半盲であれば、一側の視野に障害があるだけなので、眼球や頭部を動かすことによって、半盲側の認知は容易にでき、見えない半盲側にも空間があることを十分意識していて、注意を向ける努力を怠らない。ところが、半側空間無視の場合、どのように身体の向きを変えても、その位置から見た半側空間の認知は不十分であり、本人にとっては空間が存在していないかのようである。
例えば、歩行や車いすの操作中に左側にある物にぶつかる、左側に置いてある食事を食べない、左から接近してくるものに気づかない、左側に曲がることができず、通りすぎてしまう。
よく知っている場所で道に迷う、見慣れた場所や建物をみても、わからない。熟知している場所の図を描けないという症状を伴う。
高次脳機能障害は個々のパーソナリティ、生活スタイルに合わせて、症状の現れ方も様々であり、障害がみえにくい、わかりづらい一面もあります。歳のせい、気分や性格のせいとなりやすい面もみられます。今回、記載した以外の高次脳機能障害の症状も多々あります。文献によって言い回しが異なる部分もあり、ここに記載した内容が全てではないので、その方その方に合わせて、説明いたしますので、お気軽にご相談ください。
言語聴覚療法 3:51
言語聴覚士(ST:Speech-Language-Hearing Therapist)は、音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行います。 また言語聴覚士法に基づき、診療の補助として、医師又は歯科医師の指示の下に、嚥下訓練行為を行います。
言語障害とは・・・
「音声機能の障害」と「言語機能の障害」があり、音声や構音(発音)、話し方、ことばを聴いて理解する、表現の障害です。
・失語症 ・構音障害 ・聴覚障害 ・音声障害
・言語発達遅滞 ・吃音
失語症とは・・・
失語症(しつごしょう、aphasia)とは、主には脳出血、脳梗塞などの脳血管障害によって脳の言語機能の中枢(言語野)が損傷されることにより、一旦獲得した言語機能(「聞く」「話す」といった音声に関わる機能、「読む」「書く」といった文字に関わる機能)が障害された状態。高次脳機能障害のひとつ。 「聞く」「話す」「読む」「書く」全てのモダリティが障害される。よって、構音器官の麻痺などによる運動機能障害、先天的な構音器官の奇形などによる器質性障害など所謂構音障害とは異なる。また、声の出なくなる失声症などとも異なる。
(失語症 – Wikipediaより引用)
また、「七夕」を「ななゆう」と読むなど、意味を伴わない音読が見られる場合もある。「超皮質性混合性失語」では、たどたどしい発話に加えて、オウム返し(反響言語)やことわざや決まり文句のはじめを言うと後の言葉を自動的に言う(補完現象、例:「犬も歩けば」と言われて「棒に当たる」と言う)
公共機関を想定した外出訓練 1:05
ライフワークを評価した外出訓練 1:32
回復期リハ病棟に入院される患者さんの中には、退院後に一人で外出する必要がある方が多くおられます。日常生活における買い物や習い事、サークルなどの社会参加に移動は不可欠です。そこで入院中から、一人で外出できるか、バスや電車などの公共交通機関の利用が可能かの評価や練習を実施しています。
実際の例として、以前当院に、退院後東京都内へ通勤する予定の患者さんが入院されていました。その方へセラピストが同行の下、当院から歩いて最寄駅へ移動し電車に乗り、繁華街へ出て雑路を歩いて買い物をし、当院へ帰るといった一連の行動を1人で行ってもらいました。それにより、患者さんは外出されることへ自信を深め、さらにリハビリへ意欲的になった一方、外出することで新たなる問題が発見され、退院前にその問題に対しリハビリをし、より危険性の少ない状況にて退院する事が出来た例がありました。
家庭訪問 2:07
退院後、ご自宅で生活するにあたって、家屋が安全で生活しやすい状況であるかを確認するため、当院セラピストが中心となってご自宅へ訪問します。ご自宅で生活する際に予測される家屋内外の動線の問題、階段や手すりなどの環境、各種サービスの問題などを、ご本人・ご家族・ケアマネジャーなどと一緒に検討し、退院後安全で住みやすい環境へ改善していけるようアドバイスさせていただいています。
園芸活動 2:06
季節を感じながら、野菜の種や花の苗を植え、水やりや作物の収穫もします。収穫した野菜は病院職員と一緒に調理します。園芸活動を通して、自然とかかわり、心身ともに快方へ向かうことを目指します。また入院中の気分転換にも繋がっています。