「リハビリ日記」インタビュー
「今日は、入院中のご自身の状況や身の回りのことを独自のキャラクターでイラストに表現し、ご自身の入院生活を日記として描かれている斎藤さんを紹介します。
この日記のイラストは、病棟に飾られ、見る人たちの和みとなっています。」
【病棟の一角に飾られた「ワンコ.ピロちゃんのリハビリ日記】
◆作者の斎藤浩史氏にインタビュー
質問1:「この日記を描くことになったいきさつとかお気持ちなど伺えますか?」
齋藤氏:
「今回初めて大きな病気になって入院という形になり、その間、家族とか身内とかコロナ禍で会う機会がない時に、いまの入院している生活の様子などを電話やメール以外でなにか表せないかなと考えました。“意外と元気にやっているよ”
ということを報告できないかなと思い、こういう形で書き始めまたのきっかけでした。」
質問2:「しかし、とても上手に描かれていますが、普段からでやってられたのですか?」
齋藤氏:
「そもそも子供のころから絵や粘土を造形するのが好きで、その延長上のものであるんです。のちに大人になって、その好きがきっかけで、
仕事としてテレビコマーシャルを創る仕事をしてたんですが、その裏方として美術とかディレクションをやっていたこともありますので、
絵を描くのは昔から好きでした。」
質問3:「どのくらいのお時間で描かれるのでしょうか?
リハビリの間に書かれるにしては大変な労力だと思いますが・・・?」
齋藤氏:
「一日終わって夕食時間後はですね、何時間かありますけど、何もすることがないので、その時間がもったいなくて、
自主練習をひたすらしてたんですが、そこにこういうような日記というか絵手紙のようなものが書ければいいなぁと思って、食後、もしくは、
皆さんが寝静まった後に、ひとりボールペンで(裏紙に)コリコリと書いてたんです。」
「だいたい1枚描く時間が、下書きざっと描いたにしても1時間から1時間半ぐらいだと思います。
タッチが多いので、ひたすら今日会ったことを考えながら、ペンで線やタッチ(一点一点ごとに入れる筆入れ)を入れているって感じですかね。」
【上は斎藤さんが一番に気に入っている絵だという。“脚が重くて
落ちる”という患者さんしかわからない気持ちが出ている絵です】
質問4:「最後にお尋ねいたします。ピロくんの目から、職員はどのように映っているんでしょうネ?」
齋藤氏:
ピロくんにとってですけど、ピロは、スタッフの方、特に自分の担当のリハビリのスタッフの方とか、ケアワーカーの担当の方というのは、変な言い方ですけど自分をアスリートにたとえた時に、支えてくれるチームみたいなものだと思っているんで、僕が一生懸命リハビリして元気になって退院できるということが、そのチームの成績というわけではないんですけど、みんが喜べるという事に繋がり、また周りもそうなる形になると思っていて、一種の責任って言ったら変ですけど、みんなのために元気になろうという気持ちが強いキャラクターになっているんですね。
それがピロくんにとっての皆さんの存在です。
また、僕個人の一患者としの感想としては、僕はホント皆さんがすごく働いていることに感動しております。
(入院するまでは)知らなかったことはたくさんありますし、
もちろんリハビリのことも知らなかったですし、看護師さんのこともそうでした・・・。でも入院していると・・・。
(先日も)夜、看護師さんが給湯室で、一所懸命お茶を作っている姿を見たんですね、僕ね、ほんとうに泣きそうになったんです。
皆さんがものすごく・・・、毎日、小さなこと(作業)からずっと仕事していて、(そのうえで)何があっても我々(患者)のことを観ていてくれているということが、ホント感動です。
もう、「ありがとうございます」としか言えません。感謝です。